コロナが収束したら行ってみたいと思っているのがタイトルにもある房総横断列車の旅です。 外出が出来ずにモヤモヤと過ごしておりますので、まずは足慣らしに近場からお出かけしたいですね。今回は私の地元の千葉県ですが、何度行ってものどかな風景に癒されます。
旅の玄関口は2箇所あります。
旅の玄関口はJR内房線の五井駅、もしくはJR外房線の大原駅になります。今回の旅の主役は小湊鉄道、いすみ鉄道です。どちらも千葉県を代表する私鉄でのどかな田園風景と里山が楽しめます。房総の内陸部を横に横断しながら2つの私鉄が接続するユニークな路線となります。
五井駅から
どちらの駅からでも旅が楽しめますが、一般的には五井駅〜(小湊鉄道)〜上総中野駅(ターミナル駅)〜(いすみ鉄道)〜大原駅のルートが入りやすいと思います。その理由としては小湊鉄道が上総中野駅まで直通する列車が1日に4本(コロナウイルスの影響で減便中)しかないのでこの列車に合わせるスケジュールが組みやすのも理由になっております。
小湊鐵道
小湊鉄道はJR内房線の五井駅を起点として終点は上総中野までの39.1kmで、CMとか映画、ドラマの撮影にも使われているので風景を見たことがある方もいらっしゃるとお思います。使用されている列車は旧国鉄の気動車のようで趣があります。
事実、使用される気動車は昭和に製造された車両ですので歴史を感じられます。また、近年ではSLに模した気動車が新造され里山トロッコ号としてご家族連れに人気となっております。
最近では只見線で使っていたキハ40型気動車をJR東日本より貰い受けたようですので鉄道ファンは気になる所と思います。
大原駅から
JR外房線の大原駅〜五井駅に抜けるルートもできます。こちらから入る方は少ないので混むのが苦手であれば大原からスケジュールを立ててはいかがでしょうか。旧国鉄型の車両が使われている急行列車に乗りたい方は列車に合わせたプランが必要なので大原駅から入るようにしましょう。最後にプランを少し記載します。
いすみ鉄道
いすみ鉄道は元国鉄JR木原線が廃止されたあと第三セクターとして発足した路線です。JR大原駅より上総中野までの26.8kmですが、有名なのは旧国鉄の気動車が数台現役で活躍していることから休日にはファミリー、マニアの方が写真を撮りに来たり、列車に乗りに来る方も大勢いらっしゃいます。
また、近年ではレストラン列車キハの運用があり列車に乗りながらイタリア料理を堪能出来るプランもあります。
この2路線は上総中野駅で繋がっており房総横断が出来るのです。
旅の計画
今回は分かりやすくプチ観光を取り入れた場合の土、日、祝日出発で五井駅から入ります。
少々早い時間の出発ですが、ローカル線の本数は少ないのでご理解ください。
早起きが苦手な方は千葉、蘇我あたりでビジネスホテルに前泊もありかもしれません。朝の時間に余裕が持てますので私はよくこの手を使います。
東京駅(京葉線ホーム)7:35発(快速蘇我行)➡️蘇我駅乗り換え8:31分発(普通君津行)➡️五井8:41着
〜小湊湊鉄道乗り換え〜
五井駅8:49発(上総中野行)➡️養老渓谷9:53着
〜小湊バスに乗り換え〜
養老渓谷10:05(小湊バス)粟又・ごりやくの湯行➡️弘文洞入口10:10 着
〜見学〜
バス10:55➡️養老渓谷11:03着
(もしくは天気が良ければハイキングがてら駅まで歩いて戻りましょう。)
次の列車まで1時間ほどありますので養老渓谷駅の足湯にでも浸かってのんびりしましょう。近所の地元食堂で早めのお昼もいいかもです。
養老渓谷駅12:14発➡️上総中野12:21着
〜いすみ鉄道乗り換え〜
上総中野駅12:45発➡️大多喜駅13:04着
大多喜を見学しましょう。〜
大多喜17:16➡️大原17:45着
〜JR乗り換え〜
大原18:28発➡️〜特急わかしお20号〜 東京駅19:40着 お疲れ様でした。
時刻は2020年5月(土日時刻)のものになりますので必ず乗車予定日での確認を推奨いたします。
旅の切符 料金
通常の料金
東京〜五井 普通乗車券:990円
東京〜大原 普通乗車券:1,690円
合計:2,680円
特急を使用した場合は別途特急料金が掛かります。東京〜五井まで指定席1480円、自由席950円 東京〜大原でも同額
東京駅近辺よりも遠方からいらっしゃる方
土、日、祝日の日帰りを想定ですが、下記のお得切符と一般の切符の組み合わせがよろしいかと思います。(また、乗り降り自由なので帰りにちょっと寄り道を考えている方もこちらをどうぞ)
まずは下記のフリーエリアを見てもらい、乗車駅で「休日おでかけパス」を買います。
休日おでかけパス:2,720円
茂原〜大原(エリア外):420円
合計:3,140円
(エリア外の切符ですが、大原駅で茂原まで券売機で買い求めてください。大原から入る場合は予め駅の指定席券売機、みどりの窓口で購入、または特急車内か、大原駅で精算ができます。)
東京駅を7:35に出発して8:41に五井駅に到着しました。
房総横断記念乗車券(房総横断乗車券)
小湊鉄道五井駅では房総横断記念乗車券(房総横断乗車券)を買いましょう。大原駅までこの切符1枚で小湊鉄道、いすみ鉄道に乗車できます。2路線を通した通常運賃が2,170円なのに対してこちらの切符は1,750円と大変お得になっております。
車内でも買うことは出来ますので乗り換えは慌てないでくださいね。
この切符の注意点としては一方通行ですので後戻りはできません。乗り降りは自由となりますので目的地の観光を途中下車して楽しんでください。
8:49発の上総中野行き列車に乗ります。小湊鐵道のホームからは車庫が見えます。東京から1時間ほどでこのような気動車が見られのは昭和の時代にタイムスリップした感覚を覚えます。
上の写真は里山トロッコ号、今回は時間の都合上、乗車できませんが観光列車も魅力のひとつです。現在、コロナウイルスの影響で運休中ですが、違った車窓風景が広がると思いますのでぜひ機会がありましたらご乗車ください。
線路は単線のため行き違いで停車します。
里見駅では今では珍しい列車の行き違いにタブレット(通行許可証)交換も見られますよ。安全の為、列車はこれが無いとこの先の線路には入れません。
下の画像は里山トロッコに乗った際に停車時間に里見駅で売っていたのを買ってみました。
ローカル線の旅にはちょっとお腹がすいた際に食べるものがあるといいですね。
養老渓谷駅で途中下車
最初に養老渓谷駅で途中下車しましょう。
養老渓谷には9:53着です。養老渓谷と言えば渓谷と温泉で有名ですが、ここでは不思議なトンネルがありますのでぜひ見に行きましょう。
駅前に「粟又・ごりやくの湯行」バスが待っていますので10:05発のバスに乗車します。バスで5分程で「弘文洞入口」到着です。
バス停からトンネル入口まではすぐです。
トンネルに入るとその先に何やら不思議な物が見えてます。
このトンネル共栄・向山トンネルと言って名前が2つあります。
もともとあったトンネルに、下の方に新しく掘られてできたトンネルとのことです。
なので上に見える穴が旧トンネルの出口、下が新しいトンネルの出口です。
トンネルの名前が共栄、向山と2つ付けられているのも納得です。
それにしても撮影当時は誰もいなくて手彫りのようなトンネルだし、不気味な色合いが反射してゆらゆらと見え、怖かったのを思い出します。
トンネルを抜けた先、養老川沿いにハイキングコースが整備されているのですが、残念なことに2019年の台風15号の影響で封鎖されたままになっております。
ここはひとまず復旧してからまた来たいと思います。
次の列車まで少し時間があるので駅までハイキングがてら温泉街を歩いて戻るのもいいかもしれません。
ゆっくり歩いても40分〜50分もあれば駅に着きます。
歩きたく無い方は折り返しのバスが30分後に来るのでそれに乗って駅まで戻りましょう。
駅に着いたら駅構内に足湯がありますのでゆっくり浸かって里山の雰囲気を味わいながら足を癒してください。
ちょうど足湯がオープンしている時間だと思いますよ。
次の列車の時間は12:14発です。
ハイキングの際にもこの時間までには戻りましょう。何せ次の列車は14:55までありませんので。
12:21着で上総中野駅に到着しました。乗り換えのいすみ鉄道の発車時間まで20分ほど待ちましょう。駅名標を見ると小湊鐵道の養老渓谷駅といすみ鉄道の西畑駅が表記されています。手書きの駅名は趣があって良いですね。
乗り換えのターミナル駅ですが無人駅です。
駅の周りには特に何もありませんので駅の周りで時間調整します。
皆さん思い思いに写真を撮っていましたよ。
駅舎内ではお弁当も食べられます。
おにぎりなどをあらかじめ買って駅舎内のベンチで食べても良いかもです。
上総中野駅12:45発のいすみ鉄道に乗り換えです。黄色の車体と緑の帯は菜の花を連想します。
大多喜駅には13:04分到着です。写真の旧型国鉄車両に見える列車は実は新型の車両です。いかにもいすみ鉄道らしくキハ20 1303は往年の気動車を彷彿とさせるネーミングです。
大多喜駅で観光しましょう。
途中下車して向かう先は大多喜城です。いすみ鉄道の大多喜駅より徒歩約15分のところにありますので立ち寄って見てください。
こちらは千葉県立中央博物館大多喜城分館となっていますので、房総の中世から近世までの武器、武具、城郭、武家社会などに関する歴史を展示してます。
また、いすみ鉄道や廃止前の木原線に関する資料や展示もありましたので鉄道ファンも楽しめると思います。
開館9時〜16時30分
お城までは登り坂ですので慌てずゆっくりと登りましょう。
お城の見学が終わり時間に余裕があれば大多喜ハーブガーデンなどいかがでしょうか。大多喜駅から徒歩約4分のバス停「夷隅支庁前」からバスで5分で小土呂バス停に到着します。目の前が大多喜ハーブガーデンです。ちなみにバスの発車時刻は15:34がありますのでご参考までに。(時刻の変更等もありますのでネット等で旅行当日のバス時刻表を確認することをお勧めします。)
レストランでは写真のようなハーブをふんだんに使った料理が食べられます。
旅のお土産にはハーブの化粧品類、石鹸、お茶、クッキー、ハーブの苗とありとあらゆる物がありますのでいかがでしょうか。
帰りはバスの本数が少ない上に、距離もあまりないので思い切ってタクシーを使うことをお勧めします。現地でタクシーが呼べると思いますので着きましたら確認しておきましょう。
ハーブガーデンは遅くとも17時前にタクシーに乗ることをお勧めします。
いすみ鉄道の旧国鉄気動車(紹介など)
こちらはいすみ鉄道で使われているJR大糸線で活躍した国鉄の旧気動車です。
標準色にお化粧直しされて古き良き時代にタイムスリップします。
車内も昭和50年代頃と思われる広告が吊るされておりタイムスリップしたような感じになりました。(写真は撮影時、車体の塗装も変わることがあります。)そのほかにも2車両(1両は保管状態)ありますのでこれを目当てで来られる方もいらっしゃいます。
近年ではレストラン列車としてイタリア料理を出すプランもありますのでこちらも好評ですので下記公式サイトをご参考までにどうぞ。
大多喜駅に戻りましたら、大多喜駅を17:16発の列車に乗りましょう。
夏場だとまだ明るいので田園地帯を快走しているとのどかな風景にスナフキンのテントが車窓左側にあらわれます。制作された当時はスナフキンが釣りをしていましたが、現在は少々朽ち果てており残念です。
大原駅のスナフキンの看板。残念なことにムーミン列車は2019年3月で運行取り止めになってしまいました。最後の見納めに来た際の画像です。
こちらもスナフキンのヘッドマークが付いてます。このヘッドマークが見れないのは寂しいです。
大原駅に17:45に到着しました。
帰りの電車まで売店でお土産でも買いましょう。
いすみ鉄道は赤字路線なのでお土産を買って貢献していただけると幸いです。
大原18:28発の特急わかしお20号で東京駅まで帰ります。
東京駅には19:40着です。 お疲れ様でした。
大原駅を起点とした観光列車のスケジュール
旧国鉄型気動車の観光列車に乗るスケジュールを考えました。
観光列車の時刻がお昼過ぎな為、これに合わせたスケジュールとなるので現地の観光にはあまり適さないのですが、お手軽半日工程と考えましょう。
また、総横断記念乗車券(房総横断乗車券)はいすみ鉄道でも購入できます。急行乗車の際は急行料金として別途300円が必要となります。
東京11:00発〜特急わかしお7号➡️大原12:13着
〜いすみ鉄道乗り換え〜
12:37分発〜急行1号 上総中野行き〜➡️大多喜13:10 着
〜大多喜観光〜 大多喜城で遅めのお昼等
大多喜15:03発➡️上総中野15:23着
〜小湊鐵道乗り換え〜
上総中野15:29発➡️五井16:41着
JR乗り換え
①五井16:53発〜普通千葉行き〜蘇我17:03着➡️蘇我17:12発〜京葉線快速東京行き➡️東京17:56着
②五井17:09発〜新宿さざなみ4号〜➡️秋葉原17:50、新宿18:07着
時刻は2020年5月現在になります。
また、いすみ鉄道の1日乗車券を買っていすみ鉄道だけを楽しむのも良いかと思います。この場合は往復大原駅発着になります。
旅のまとめ
今回は観光を取り入れたスケジュールで組み立てましたが、この2路線は車窓を見るだけでも十分楽しめる路線だと思いますので途中下車しないで大原までの車窓を楽しむ旅も良いですよ。
玄関口ですが、五井駅から入るルートだと混み合っている場合が多い(特に紅葉の時期)ので思い切って大原駅からいすみ鉄道〜小湊鉄道で五井駅に抜けるルートの方がゆったりしていると思います。
また、観光列車を利用すると時間の都合上、途中下車ができる範囲が限られてしまうので観光を取り入れるか、観光列車に乗るかでスケジュールを別に考えた方が良いと思います。
また、小湊鐵道、いすみ鉄道ともにsuica,PASMOは使えませんのでご注意ください。
列車の時刻は春先に行われるダイヤ改正で変更になる場合がありますので必ず乗り換え案内等で検索してからお出かけするようにお願いいたします。
コメント